図形変換「4つに わけるきまり」
もんだい
左の えを みてください。おなじ きまりで、右の えは どう なるでしょう。したの えから えらんで、〇を つけましょう。
こたえ
しろい じゅうじせんで 4つに わけた まる
かいせつ(おうちのかたへ)
青い正方形が「縦横の白い十字線で4等分」されています。同じルールを赤い円に適用すると、円も縦横の白い十字線で4分割されます。
誤答の選択肢は「内包する円」「十字の内包(+マーク)」「変化なし(装飾なし)」です。「4等分」と「+マークの内包」を混同しないよう注意が必要です。
出題背景と育つ力
図形類推(フィギュア・アナロジー)は、左の例のルールを読み取って、別の図形に同じルールを当てはめる問題です。小学校受験の推理分野では、慶應義塾幼稚舎・雙葉小学校・早稲田実業学校初等部などで、難易度を変えながら定番として出題されてきました。今回のように「青い四角が縦横の白い十字線で4等分されている → 同じきまりを赤い円に当てはめると?」という形式は、ルールを言葉に置きかえる力と、それを別の図形に再現する力の両方を見ています。
この問題で育つのは、目の前のふたつの図を見比べて「何が変わって、何が変わっていないか」を抜き出す類推力です。色は変わっているけれど線の入り方は同じ、というように、形と色を分けて捉える分析の習慣が身につきます。3〜6歳の子どもは、絵全体の印象でしか比較できない時期から、要素を分けて見られる時期へと徐々に移っていきます。図形類推は、その移行を後押ししてくれる典型的な題材で、就学後の算数の図形領域や、理科の観察にも生きてくる思考のトレーニングになります。
よくあるつまずき
この4等分の図形類推で、子どもが間違えやすいパターンは3つあります。
ひとつめは、十字線が「内側に小さく描かれた+マーク」と「図形全体を縦横に4等分する線」とを区別できないケースです。今回の選択肢にある「内側に十字(+マーク)が入った円」を選んでしまう子は、線が図形のどこからどこまで引かれているかを見ていません。「ふちからふちまでの線」と「内側だけの記号」では意味が違う、と意識する練習が必要です。
ふたつめは、「内側に小さな円が入っているもの」のような、まったく別の装飾に飛びついてしまうケースです。元の図形にそんな装飾はなかったのに、なんとなく華やかに見える選択肢に引っぱられるタイプ。年中さんから年長さんの前半によく見られ、ルールを言葉にせずに「いちばん似ている雰囲気のもの」を選ぶ習慣がついている状態です。
みっつめは、変化を読み取らずに「色も形もそのまま」を選んでしまうケースです。装飾なしの赤い円を選ぶ子は、左の例の青い四角がどう変わったかを見ておらず、ルール自体を抽出できていません。「左の例で何が起きたか」を口に出して説明する練習が、いちばんの解決策です。
家庭での声かけ例
図形類推は、ルールを言葉に置きかえる力がすべてです。具体的な声かけを紹介します。
最初に左の例を指さして「青い四角が、どう変わった?」と聞きます。お子さんが「線が入った」と答えたら、「どんな線かな? 縦の線? 横の線? 両方?」と細かく確認します。「縦と横の線で、4つに分かれたね」とまとめて、ルールを言葉にしてあげます。
次に「同じきまりを、右の赤い円にやるとどうなる?」と問いかけ、空中に指で十字をなぞって見せます。「縦と横に線を引いて、4つに分けるんだね」と確認します。
選択肢を見るときは、ひとつずつ指さして「これは、ふちからふちまでの線が入ってる?」「これは、内側に小さな十字があるだけだね」と、線がどこから引かれているかを言葉で確認していきます。「4つに分かれている」と「中に+マークがある」は別、ということが、声に出すとよく分かります。
家での遊びでは、紙にいろいろな形を描いて「同じように線を引いてみて」とお願いします。三角形・長方形・楕円など、形を変えても同じルールを当てはめる練習を重ねると、図形類推の本質である「形が変わっても、ルールは変わらない」という感覚が育っていきます。
れんしゅうのポイント
- 身につく力:類推力・図形の変換理解
- 教え方のコツ:「しかくに どんな せんが ひかれた?」と問いかけて、線の向きと本数を確認させましょう
- ステップアップ:縦だけ・横だけ2分割の問題へ